thumb thing(サムシング)各378円

「新しい親指の発明」!? はめて使うと本が安定します。
何とも珍妙な読書グッズです。そもそも名前からしてオヤジギャグっぽい。
片手で本を支えて読む場合(つまりたとえば電車の中での読書とかの状況ですが)、えてして本がしっかりと安定してくれませんね。人差し指から小指までの4本の指は本の背表紙側に、親指は本の内側に置く、というのがこうした場合の通常の指使いになるのでしょうが、このとき、親指は本そのものを支えるという任務を担っていると同時に、ノドの部分を押さえることで、ページを開いた状態に保つという作業も行っているわけです(大袈裟な言い方ではありますが……)。どちらかというと不器用なこの指に2つのミッションを与えるってことに、そもそも若干の無理があるわけです。そこでひとりのイギリス人は考えた。親指をサポートする補助具があれば、もっと幸せに読書に没頭できるのではないか、と。親指の左右にウイングのようなものをつければ、「ページを開いておく」ためにこの指が悩んでいる苦労を助けることができるのではないか、と。
thumb thingの真ん中の穴に親指を通します。すると親指の両側に羽のような部分ができるので、そこでもって、本を押さえるわけです。こうすることによって、片手で本を支える場合、本が安定します。「そんなもんはいらん」。そう思われるでしょう。私もそう思っていました。しかし、使ってみると、なかなか効果的なんです。本が安定し、読みやすさはかなり違ってきます。ただ、読み終わった際(たとえば電車の乗り換えの時とか)に、いちいちこの装置を指から抜かなくちゃならないことは、邪魔臭いと言えば邪魔臭い。そういう欠点は認めつつも、これをつけての読書は、なかなか楽しい体験ではあります。
親指のサイズは人によってかなり異なります。穴がぶかぶかだと効果は半減なので、thumb thingは指の太さに応じて4種類のサイズバリエーションを用意しています。ご自分の指の太さに応じたサイズをお求めいただく必要があります。製造元のサイトでは、いろんな場所に「Size is important!」と大書してあります。たしかにこの製品においてはサイズ選びが重要なのですが、これもある種のオヤジギャグではないか、との疑念を拭えないでいます。
この製品はサイズバリエーションが4種類、そして各サイズにカラーバリエーションが6種類あります。都合24種類に分かれているわけです。余談になりますが、同一商品にバリエーションが多いっていうのは小売店泣かせです。だって在庫負担が24倍になってしまうわけですから。それにもかかわらず、このようなバリエーション展開をしてくる製造元。次々繰り出すオヤジギャグとあいまって、なんとなく製造元のキャラが見えてくるような気がします。なお、製造元はイギリスの会社で、製造しているのは南アフリカ共和国です。ポリプロピレン製。
●サイズ選びはPDFを参考に
thumb thingは親指にはめて使います。thumb thingのサイズ(SからXLまでの4種類)は親指を入れるための穴の口径の違いです。親指の第一関節までがちょうど入るくらいのサイズをお選びください。指を入れる穴は楕円になっていて径はSが18mm(長軸。短軸は14mm。以下同)、Mが19mm(15mm)、Lは21mm(17mm)、そして XLは23mm(19mm)です。しかし、指のサイズを測るといっても、なかなか難しいのも事実。きちんと測ってから購入したいというお客様のために、 thumb thing用メジャーを作ってみました。PDF書類です。ダウンロードの上、プリントアウトしてお試しください。ただ、プリントの際には「用紙にあわせて縮小する」のチェックを外して、実寸でお願いいたします(→[PDF]thumb thing用親指計測シート)。
●使い方は工夫して
thumb thingを親指に装着します。縦書きの本の場合、右手に装着し、左手でページをめくるほうがやりやすいようです。この親指に装着したthumb thingのウイング部分で、開いたページを押さえつけるわけです。雑誌などでは効果が少ないですが、特に厚手の文庫本やペーパーバックでは、かなり効果的。本を支えるのがラクチンになります。
実はこの写真のように、ぐっと本の中程まで親指を進出させると、より本は安定して持ちやすくなります。当然、文字の一部が隠れて読みにくくはなるのですが……。いろいろ試してみると、もっと読みやすい体勢が見つかるのかもしれません。
●色は6色、しかし
thumb thingは各サイズとも6色のバリエーションがあります。お好きな色を選んで購入していただけるようになっています。が、しかし。メーカーからの出荷は 6色がアソート(つまり混色セット)になっています。ですんで、ある色が売り切れた時点で、その色のためにアソートパックを仕入れることができません。下の注文欄には、もしかすると、ご希望の色が「SOLD OUT」表示になってしまっているかもしれません。全色が完売したら、再度発注・入荷します。はなはだ勝手なお願いなのですが、何卒「現在ある色から」お買い求めいただけませんでしょうか。ま、この手の商品ですんで、色はそんなに重要ではない、と思うんですけど……。ダメ?
●しおりとしても
thumb thingは一応「しおり」としても使えます。とはいっても、しおりとしての機能は正直、十分ではありません。写真を見てもらえばおわかりのように、本から飛び出す部分の幅がありすぎるため、薄い本だとしおりのトップが本の幅からはみ出してしまいます。あくまでもこれは、thumb thingを本来の目的で使っていて、(乗り換えかなにかで)一時、本を閉じるような場合に、しおりがわりに読みかけのページをマークしておくという使いみちにとどまるでしょう。つまりページの位置をマークしておくため、というより、次に使う時にthumb thingがどこへ行ったか探さなくて済む、というメリットのため、と割り切った方がよさそうです。
※この製品はとても小さくて軽いですが、DM便の規定(厚さ2cm)を超えてしまうため、DM便での発送はできなくなりました。※