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●そして専業化へ
【Y】えっ? 営業活動……? 誰に対して?
【柏木】つまり、こういう素晴らしいものができた、と(笑)。については御社で製造販売していただけないか、と。いろんな文具メーカとかに。
【Y】で、どうでした? うまく行きましたか?
【柏木】はかばかしい反応はまるっきりありませんでした。
【Y】こんなに素晴らしい製品なのに、と(笑)。
【柏木】ホントですよ。ま、今から思うと、その頃持ち歩いていた試作品はずいぶん完成度の低いものではあったのですが。でも、なんでわかってもらえないのかなあ、という不満はありました。で、土木の仕事を整理して、この会社(有限会社アクロス)を立ち上げたんです。
【Y】え? アクロスはBook-Xのための会社なんですか? それまでの仕事はヤメちゃった?
【柏木】けっしてそれまでの仕事が不調だったわけではないんですよ。けっこう忙しかった。でも、こうした仕事は始まるとずいぶん時間をとられちゃうでしょ。その間はBook-Xのことができなくなる。それならいっそ、この製品のためにすべての時間を注ぎ込みたい。
【Y】勇気あるなあ……。もちろんご家族もあるんでしょ。
【柏木】下の子どもはまだ2歳ですからねえ。でも、自分としてはけっこう自信があるんですよ。
【Y】がんばってください。で、これからどのような展開をお考えですか?
【柏木】今一番アタマを悩ませているのは世界的な金属素材の急激な値上がりです。Book-Xはステンレスでできているのですが、このステンレスが金属の中でももっとも激しく値上がりをしています。このままでは価格を維持できないので、ステンレス部分をメッキした鉄かなにかに変えることも検討しています。どうでしょうかね。
【Y】いいんじゃないですかね。この商品を買う人が購入の理由として「ステンレスだから買う」っていうことは、ちょっと考えにくいし、機能や使い勝手が変わらないなら素材はなんでもいいと思いますよ。
【柏木】そうですか。少し安心しました。で、今後はできれば世界に進出したいですね。世代的なヘンケンかもしれませんが、ドイツの人なんかはBook-Xのよさがわかっていただけるんじゃないかと想像しているんですよ。
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